保育の環境

当園の保育室の壁には
アナログ時計とデジタル時計が仲良く並んでいます。

来園された保護者の方からも
「どうして2つ置いているのですか?」と聞かれることがあります。

実はこの配置には
藤森メソッドの考え方に基づいた、子どもたちの育ちへの大切なねらいがあります。

アナログ時計は
長針や短針がゆっくりと進んでいく様子から
「時間が流れている」ことを目で感じることができます。
「あとちょっとでおやつかな?」「針がここに来たら外遊びが開く」など
子ども自身が時間の変化を自然と意識できるところが魅力です。

一方のデジタル時計は、
「いま何時何分なのか」を数字として読み取りやすく
生活の区切りや見通しを持つ手助けをしてくれます。

この2つを一緒に置くことで
子どもたちは
「流れていく時間」と「数字としての時間」の
両方に触れることができるようになります。

たとえば
「あと10分で外あそびだよ」と声をかけると
アナログ時計では針の位置を見て「もうすぐだ!」と感じ取り
デジタル時計では数の変化を見て「あと○分!」と自分で確認する姿が見られます。

日常の中に学びがある――
これが当園が大切にしている考え方です。

時計の配置ひとつにも
子どもたちが「自分で気づく経験」を増やせるようにという願いが込められています。

今日も時計を見上げながら
「いま○時だよ!」「もうすぐおひる!」と嬉しそうに話す子どもたち。

そんな何気ないつぶやきが、小学校以降の学びにつながればと考えています。

toyoda izumi