345のランチの時には、毎日ゆりぐみのお当番が配膳のお手伝いとして、箸、スプーン、フォークを配ったり、お茶や牛乳を注いだりします。その時にエプロンを着用するので、私たち職員が紐を体の後ろで結ぶ手助けをすることもあります。お友だちも結んでくれることがあるのですが、固結びになっていることが多く見かけます。
先日、お当番さんに「むすんで」と頼まれたので紐をいつものように蝶々結びで結んでいると、じーっと横で見ているゆりぐみの女の子。何を見ているんだろう…と思っていると「わたしもむすびたい!」とのこと。どうやら職員が蝶々結びをしているところを凝視していたようです。結び方を教えながら一緒にやってみて、「もう一回やってごらん?」と今度は一人で結んでみるものの…なかなか一人で結ぶことは難しく、何回も挑戦していました。その日にいきなりできることはありませんでしたが、本人は落ち込む様子も飽きた様子もなく「れんしゅうしてくる!」と言い残し、ランチの準備へと向かって行きました。
そして数日後、またエプロンの紐を結んでいるとその女の子が来て「せんせい、おうちでれんしゅうしてきた!」と言いに来てくれました。その場で終わりではなく、家に帰って練習をして、再度チャレンジする。今回の蝶々結びはこの子にとって一つできることを増やすいいきっかけになったのだなと感じました。蝶々結びは指先を使うので、手先の器用さが必要になります。私たちは普通にできることが多いですが、子どもたちには難しい結び方です。
意欲があると、それが練習したり取り組むきっかけになり、やがて習得に繫がる。その最初のきっかけの“興味”を持った時にかける私たち大人の声かけやかかわり方の大切さや難しさを感じた出来事でした。
MT